DtoCブランドが物流を内製化しない理由

目次
DtoCブランドの台頭と物流の重要性
SNSやECプラットフォームの発展により、メーカーやクリエイターが自社ブランドを立ち上げて直接消費者に販売する「DtoC(Direct to Consumer)」モデルが急速に広がってきました。
DtoCブランドの成長を支える重要な要素の一つが「物流」です。商品を届けるスピードや体験がブランドの印象を左右するため、物流はもはや“裏方”ではなく“戦略領域”といえるでしょう。NEOlogiではDtoCブランドの物流も多く手掛けていますので物流サービス選びの参考にして頂けると幸いです。
内製化の理想と現実
自社で物流を持つメリット
自社で倉庫を構え、在庫・出荷をすべて管理できれば、ブランド体験を細部までコントロールできます。特にパッケージや同梱物の演出など、ブランド価値を高める工夫を柔軟に行える点は大きな魅力です。
実際に直面する課題
一方で、物流を内製化するには初期投資・人材確保・オペレーション構築といった大きな負担が伴います。特に小規模DtoCブランドでは、倉庫の賃料や人件費、システム導入コストを賄うことが難しく、結果として経営を圧迫するケースも少なくありません。また、DtoCでは商品数が少なく受注生産の場合も多いため、定常的な出荷を必要としないため自社倉庫はコストになります。
外部委託が選ばれる3つの理由
コスト構造の最適化
物流を外部委託(3PL)することで、倉庫の固定費を変動費化できます。繁忙期だけ出荷量が増えるようなDtoCブランドにとって、柔軟なコスト管理は大きなメリットです。
物流ノウハウとテクノロジーの活用
専門の物流代行会社は、多数のEC事業者の出荷を支援しているため、効率的なオペレーションや最新システムをすでに保有しています。特にAPI連携による出荷自動化や在庫管理は、少人数運営のDtoCブランドにとって大きな武器になります。
ビジネス拡大に合わせた柔軟性
ブランドが成長するにつれて、国内だけでなく越境ECやBtoB取引など出荷形態が多様化します。
外部委託なら、倉庫拠点の追加や海外発送への対応もスムーズに行えるため、スケールアップを妨げません。
成功しているDtoCブランドの共通点
物流を“コスト”ではなく“体験”として設計
人気DtoCブランドの多くは、物流を単なる配送業務ではなく、「顧客体験の一部」として捉えています。
開封時のワクワク感や、スピーディーな発送対応は、ファン化を促す重要な要素です。
そのため、物流パートナーと密に連携し、ブランドの世界観に合った出荷設計を行っています。
データと顧客満足度を重視
外部倉庫を利用していても、出荷データや返品率を細かく分析し、顧客対応に活かすブランドが増えています。このように物流を“見える化”することで、在庫の最適化やリピート率向上につなげています。
物流アウトソーシングの選び方
サービス範囲と料金体系の確認
倉庫会社によって対応範囲(保管・検品・出荷・返品処理など)や料金体系は異なります。単価だけで判断せず、業務の一貫性、トラブル時の対応力、倉庫環境なども重要な比較ポイントです。
API連携・在庫管理システムの有無
ShopifyやBASEなどのカートと自動連携できる倉庫システムを持つパートナーを選ぶことで、手作業を減らし、ヒューマンエラーを防げます。特に少人数で運営するDtoCブランドには、システム連携による省力化が必須です。
DtoC特有の小ロット出荷対応
DtoCは1日あたりの出荷量が少ないケースも多く、小ロットでも柔軟に対応してくれる倉庫を選ぶことが重要です。梱包指定や同梱物などのカスタマイズが可能かどうかも確認しておきましょう。
まとめ:物流を制する者がDtoCを制する
DtoCブランドが物流を内製化しない最大の理由は、「コストとリソースをブランド成長に集中させるため」です。自社の強みである商品企画・マーケティング・顧客体験設計に注力し、物流は信頼できるパートナーに委ねることで、効率的かつスピーディーな成長が実現します。
物流は、裏方でありながらブランド価値を支える最前線。
ブランドを立ち上げ時には物流業務は後回しになりがちですが、お客様に商品をお届けするまでが重要な購入体験になりますので、どこに物流を任せるかは重要な選択の1つになります。
NEOlogiではshopifyやBASEを使ったDtoCブランドの出荷を多数行っております。海外展開にも対応できますのでお気軽にお問合せください。
株式会社ネオ・ウィング 取締役 / 物流代行サービス「NEOlogi」 責任者
物流業務の効率化・業務改善及び、ECに関する一連業務のDX支援など、EC運営経験およびNEOlogiで培ったシステム開発力でお客様の課題を解決します。
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