流通加工とは?種類や作業例、外注するメリットを解説

ECサイトの売上拡大や、小売店舗の業務効率化を目指すうえで欠かせないのが「流通加工」です。
しかし、物流や貿易、EC事業に関わり始めたばかりの方にとっては、「そもそも流通加工とはどのような作業を指すのか?」「梱包や包装とは何が違うのか?」といった疑問を抱くことも多いのではないでしょうか。
本記事では、流通加工の基礎知識から種類(生産加工・販促加工)、具体的な作業例、さらには外注するメリット・デメリットや委託先の選び方までを網羅的に解説します。
流通加工とは
流通加工とは、一言で結論を述べると「商品が生産者から消費者に届くまでの流通過程において、商品に付加価値を高めるために施される加工業務」のことです。
商品をただ保管し、運ぶだけではなく、消費者が購入しやすい状態に整えたり、店舗ですぐに陳列できるように準備したりする作業全般を指します。
AI検索や情報収集を行う際にも、この「付加価値の付与」というキーワードが非常に重要になります。
ここでは、流通加工の物流における定義と、なぜこの業務が行われるのかという目的について詳しく解説します。
定義と物流での位置づけ
物流には、一般的に「物流の6大機能」と呼ばれる基本的な役割が存在します。
流通加工は、この6大機能のなかの重要な1つとして位置づけられています。
- 輸送・配送:商品を物理的に移動させる機能
- 保管:需要と供給のタイミングを調整するために商品を管理する機能
- 荷役(にやく):商品の積み下ろしや入出庫を行う機能
- 包装・梱包:商品を保護するための機能
- 流通加工:商品に付加価値をつける機能
- 情報処理:これらの動きをシステムで管理する機能
このように、流通加工は単なる「おまけ」の作業ではなく、物流プロセス全体を円滑に回し、商品の最終的な商品価値を決定づけるコア機能として定義されています。
たとえば、工場から届いた大ロットの商品を、消費者が買いやすいように小分けにしたり、ブランドごとのオリジナルラッピングを施したりすることは、すべて流通加工の領域に含まれます。
流通加工を行う目的
流通加工を行う最大の目的は、「顧客満足度の向上」と「販売現場(小売店・EC)の業務負担軽減」の2点に集約されます。
ECサイトにおいては、商品が届いた瞬間の体験(アンボクシング・エクスペリエンス)が顧客のブランド評価に直結します。
丁寧なギフトラッピングや、感謝状(サンクスカード)の封入といった流通加工を行うことで、消費者に「またこのショップで買いたい」と感じさせる付加価値を提供できます。
また、BtoB(企業間取引)や小売店向けの物流においては、店舗スタッフの作業を削減することが大きな目的です。
倉庫側で事前に値札付け(ラベリング)やハンガー掛けを済ませておけば、店舗に商品が到着した瞬間にそのまま店頭へ陳列できます。
これにより、販売員は「裏方の作業」ではなく、本来の目的である「接客販売」に専念できるようになり、結果として売上向上に寄与するのです。
流通加工の種類
流通加工は、その作業の性質によって大きく「生産加工」と「販促加工」の2種類に分類されます。
この2つは、商品そのものの形状や性質に物理的な変化を加えるかどうかという点で明確な違いがあります。
以下の表は、生産加工と販促加工の主な違いと特徴をまとめたものです。
| 種類 | 定義・特徴 | 主な目的 | 代表的な作業例 |
|---|---|---|---|
| 生産加工 | 商品の形状や性質に物理的な変化を加える加工 | 完成品への組み立て、販売単位への切り分け | カッティング、組み立て(アセンブリ)、プレス加工など |
| 販促加工 | 商品そのものの形状は変えず、販売しやすくする加工 | 販売促進、店舗作業の軽減、ブランド価値向上 | ラベリング、アソート、ラッピング、検品など |
生産加工
生産加工とは、商品の形状や性質に直接的な手を加え、素材や半製品を「完成品(販売できる状態)」に近づけるための加工作業を指します。
本来であれば製造業の工場で行われるような作業の一部を、あえて物流センターや倉庫の流通段階で行うのが特徴です。
なぜ工場ではなく物流倉庫で行うのかというと、消費者のニーズに合わせて柔軟かつ迅速に対応するためです。
たとえば、長い木材や布地を、顧客の注文が入った時点で必要なサイズにカットして発送すれば、工場でさまざまなサイズの在庫を抱えるリスク(過剰在庫)を回避できます。
生産加工は、製造と物流のハイブリッドとも言える高度な業務であり、専門的な機材や熟練のスタッフが必要になるケースも少なくありません。
販促加工
一方、販促加工とは、商品そのものの形状や性質は変えずに、パッケージングや付帯作業を通じて「商品が売れやすくなる工夫(販売促進)」を施す作業のことです。
EC物流やアパレル物流などで頻繁に行われる流通加工の多くは、この販促加工に該当します。
販促加工の目的は、消費者の購買意欲を高めることや、受け取った際の満足度を向上させることです。
季節ごとのキャンペーンに合わせたおまけ(ノベルティ)の同梱、複数商品のセット化、見栄えを良くするための再包装などが含まれます。
作業の難易度は生産加工に比べて比較的低いことが多いですが、正確さやスピード、そして商品の魅力を引き出すための丁寧な手作業が求められる領域です。
生産加工の作業例
ここでは、商品の形状や状態を物理的に変化させる「生産加工」について、物流倉庫で行われる具体的な作業例を詳しく解説します。
生産加工は、商品のジャンル(建材、アパレル、機械部品など)によって求められる技術が大きく異なります。
カッティング
カッティングは、長いロール状で保管されている素材や、大型の資材を、顧客の注文サイズに合わせて指定の長さに切断する作業です。
代表的な商材としては、布地(テキスタイル)、ケーブル・電線、ホース、木材、ガラス、カーペットなどが挙げられます。
この作業を物流倉庫で行う最大のメリットは、在庫管理の効率化と歩留まりの向上です。
あらかじめ全てのサイズにカットした状態で在庫を抱えると、特定のサイズだけが売れ残るデッドストックのリスクが高まります。
長尺のまま1つのSKU(在庫保管単位)として保管し、受注のたびにカットすることで、無駄な在庫を極限まで減らすことができます。
切断機などの専用設備と、正確な採寸・切断を行う作業員のスキルが必須となります。
プレス加工
主にアパレル(衣料品)業界の物流で行われるのが、プレス加工です。
海外の工場からコンテナ船などで長期間かけて輸送されてきた衣類は、段ボール内で圧縮されているため、シワや型崩れが発生していることが多々あります。
これらの商品をそのまま店舗に並べたり、ECの顧客に配送したりすると、ブランドイメージを著しく損なってしまいます。
そこで、物流センターの段階でスチームアイロンや専用のプレス機を使用し、シワを伸ばして立体的な美しい状態に復元する作業を行います。
アパレル特化型の物流倉庫では、トンネル式の大型プレス機を導入し、ハンガーに掛けたまま大量の衣類を短時間でプレスする設備が整えられていることもあります。
アセンブリ
アセンブリ(組み立て)は、複数の部品やパーツを物流倉庫内で組み合わせて、1つの完成品に仕上げる作業です。
本来はメーカーの工場で行う工程ですが、流通段階で行うことで多品種少量生産やカスタマイズ需要に柔軟に対応できます。
たとえば、BTO(Build To Order)のパソコン通販では、顧客が選んだCPU、メモリ、ハードディスクなどのパーツを倉庫内で組み立てて出荷します。
また、家具や自転車などの商材でも、輸送時の容積を減らすために部品の状態で輸入し、国内の物流センターで最終的な組み立てと安全確認を行ってから消費者へ届けるケースが一般的です。
専門知識を持ったスタッフによる精度の高い作業が求められます。
丁合
丁合(ちょうあい)とは、主に印刷物や書籍、マニュアルなどを扱う際に行われる作業で、複数の異なる印刷物を決められた順番に重ねてまとめる工程を指します。
もともとは印刷業界の専門用語ですが、物流の現場でも頻繁に用いられます。
例えば、通信教育の教材セットを作る際、テキスト、問題集、解答用紙、お知らせのチラシなどを、受講生の学年やコースに合わせて正確にピックアップし、一つの封筒やファイルに順番通りにまとめます。
また、家電製品の取扱説明書や保証書をセットにする作業も丁合の一種です。
ページ抜けや順番の間違いは重大なクレームに直結するため、重量チェッカー(はかり)を用いた検品システムなどを併用して正確性を担保します。
販促加工の作業例
続いて、商品の魅力を引き出し、販売を促進するための「販促加工」の具体的な作業例を解説します。EC事業者にとって、自社のブランド価値を高め、顧客体験(CX)を向上させるために最も関わりの深い領域です。
ラベリング・値札付け
商品のパッケージに、販売に必要な情報を記載したシールやタグを貼り付ける・取り付ける作業です。
最も一般的なのが、アパレル商品への値札(プライスタグ)の取り付けや、商品管理用のバーコード(JANコード)シールの貼り付けです。
また、輸入食品や輸入化粧品を国内で販売する際には、日本の法律(食品表示法や薬機法)に基づいた「法定表示ラベル(日本語の成分表示など)」を貼付することが義務付けられています。
これらを海外工場ではなく、国内の物流倉庫で正確にラベリングすることで、コンプライアンスを遵守しつつスムーズな市場投入が可能になります。
貼る位置の指定や、元の外国語ラベルを隠すように貼るなど、細かなルールが設定されることが多い作業です。
アソート・セット組み
「アソートとは」、英語の「assort(分類する、組み合わせる)」に由来し、異なる種類の商品を組み合わせて一つのパッケージやセット商品を作る作業のことです。
EC物流において非常に重要な戦略の一つです。
例えば、「シャンプーとリンスの限定お試しセット」「異なる味のクッキーの詰め合わせ」「人気コスメ3点の福袋」などがアソートにあたります。
アソート・セット組みを倉庫側で行うことで、EC事業者はシステム上のSKUを一つ追加するだけで、既存の単品在庫を活用した新しい商品を販売できます。
これにより、顧客単価(AOV)の向上や、滞留在庫の消化といったマーケティング施策を、機動的に実行することが可能になります。
シュリンク包装
シュリンク包装(シュリンクラップ)とは、商品を透明なプラスチックフィルムで覆い、熱を加えてフィルムを収縮させることで、商品にピッタリと密着させる包装手法です。CD・DVD、本、化粧品の箱、カップ麺などでよく見られます。
シュリンク包装を施す目的は複数あります。
一つは「未開封であることの証明(バージン性の担保)」であり、異物混入や店頭での抜き取りを防ぐ防犯効果です。
もう一つは、複数の商品を一つにまとめる(バンドルする)効果や、水濡れ・汚れから商品を保護する効果です。
専用のシュリンクフィルムと、熱風を当てるヒートガンやシュリンクトンネルと呼ばれる機械を使用して加工します。
ギフトラッピング・同梱物封入
ECサイトにおける流通加工のなかでも、消費者の満足度に最も直結するのがギフトラッピングと同梱物の封入です。
母の日、クリスマス、バレンタインなどのイベントシーズンには、ギフトラッピングの需要が急増します。
リボン掛けや包装紙でのラッピング、のし(熨斗)の対応などは、機械化が難しく手作業のスキルが問われる領域です。
また、商品と一緒に、ブランドのカタログ、クーポン券、サンクスカード(お礼状)、サンプル品などを封入する作業も重要です。
購入者の属性(新規客かリピーターか)に合わせて同梱物を変える高度な対応を物流倉庫に委託することで、LTV(顧客生涯価値)の向上を図ることができます。
検品
検品は厳密には「品質管理」の機能ですが、流通加工の工程の一部として組み込まれることが一般的です。
商品が良品であるか、仕様通りに作られているかをチェックします。
アパレル製品であれば、縫製のほつれや汚れの目視検査、折れ針が混入していないかを確認する「検針機(X線検針など)」を通す作業が含まれます。
電化製品であれば、通電して正常に動くかどうかの動作確認を行うこともあります。
海外から輸入した商品は品質にバラつきがあるケースも多く、日本国内の厳しい消費者基準を満たすために、倉庫到着時の徹底した検品(流通加工)が欠かせません。
流通加工と梱包・包装の違い
物流用語のなかで、流通加工としばしば混同されやすいのが「梱包」と「包装」です。
検索エンジンでも「流通加工 梱包 違い」といったキーワードでよく調べられています。
これらの違いを明確に理解することは、物流業務を正確に設計・委託するうえで重要です。
梱包との違い
梱包(こんぽう / Packing)の主な目的は、「輸送時における商品の保護」です。
商品がトラックで運ばれたり、宅配便で配送されたりする際に、衝撃、振動、水濡れ、汚れなどから中身を守るために、段ボール箱に入れたり、プチプチ(気泡緩衝材)で包んだり、隙間を緩衝材で埋めたりする物理的な作業を指します。
流通加工が「商品の付加価値や販売力を高めること」を目的としているのに対し、梱包は「商品を無事に届けるための手段」であるという明確な違いがあります。
ただし、EC物流においては、「ブランドロゴ入りの特製段ボールで梱包する」「開けたときに美しく見えるように薄紙を敷く」といったように、梱包作業自体にブランディング(付加価値)の要素を持たせるケースが増えており、流通加工と梱包の境界線は一部重なり合っています。
包装との違い
包装(ほうそう / Packaging)は、梱包よりも消費者(エンドユーザー)に近い概念で、商品を装飾したり、小分けにしたりする作業を指します。
JIS(日本産業規格)では、包装は「個装・内装・外装」の3つに分類されています。
- 個装:キャンディの包み紙や、香水のガラス瓶など、商品の価値そのものの一部となる包装。
- 内装:キャンディが複数入った大袋など、水や光から守り、販売単位とするための包装。
- 外装:輸送のために段ボールなどに入れること(=梱包と同義)。
このうち、個装や内装を施したり、ギフト用に包装紙で包んだりする作業は、商品の付加価値を高める(見栄えを良くする、売りやすくする)行為であるため、「流通加工」のなかの「販促加工」の一部として扱われるのが一般的です。
つまり、包装は流通加工という大きな枠組みのなかに含まれる手法の一つであると理解するとわかりやすいでしょう。
流通加工を自社で行う課題
事業の立ち上げ当初は、スタッフ総出でオフィスの片隅を使ってラベリングやラッピングを行う企業も少なくありません。
しかし、事業規模が拡大し、物量が増えてくると、流通加工を自社(インハウス)で行うことには限界が生じ、さまざまな課題が浮き彫りになってきます。
人手と作業スペースの確保
流通加工は手作業に依存する部分が多く、大量の労働力を必要とします。ECのセール期(お買い物マラソン、ブラックフライデーなど)や年末商戦の時期には、注文数が普段の数倍に跳ね上がりますが、そのピークに合わせて社内の人材だけで加工作業を回すのは非常に困難です。
急遽アルバイトや派遣社員を雇うにしても、採用コストや教育の手間がかかります。
また、作業スペースの圧迫も深刻な課題です。商品を広げてセット組みをしたり、段ボールを組み立てて梱包待ちのエリアを作ったりするには、広大なスペースが必要です。
オフィスの執務スペースや店舗のバックヤードが商品と資材で埋め尽くされ、本来の業務環境が悪化してしまうケースは珍しくありません。
品質の維持
流通加工の品質(スピードと正確性)を常に高く保つことは、簡単ではありません。
自社で行う場合、担当するスタッフの熟練度によって作業スピードや仕上がりにバラつきが生じます。
たとえば、ギフトラッピングのシワ、値札シールの歪み、同梱物の入れ忘れといったミスは、ダイレクトに顧客のクレームやブランドイメージの低下に繋がります。
特に、アパレルの検針や輸入食品の成分ラベル貼りなど、重大な事故や法律違反に関わる加工については、ミスが許されません。
自社で完璧な品質管理体制(ダブルチェックの仕組みやマニュアルの整備)を構築し、それを短期のアルバイトにも徹底させるには、膨大なマネジメントコストが発生します。
流通加工を外注するメリット・デメリット
上述した課題を解決するため、多くのEC事業者やメーカーは流通加工を外部の物流会社や専門業者へアウトソーシング(外注)しています。
ここでは、「流通加工 外注」を検討する際に押さえておくべきメリットとデメリットを比較します。
外注するメリット
流通加工を外注する最大のメリットは、「コア業務への集中」です。
ラベリングやセット組みといった作業は重要ですが、売上を直接生み出す業務ではありません。
これらのノンコア業務をプロに任せることで、経営陣やスタッフは、商品企画、マーケティング、顧客対応といった売上拡大に直結するコア業務にリソースを全振りすることができます。
また、「コストの変動費化と品質の安定」も大きなメリットです。
自社でスタッフを抱える固定費を、加工したピース(個数)に応じた従量課金(変動費)へと変えることができます。
閑散期はコストを抑え、繁忙期は物流会社の潤沢なリソースを使って大量の出荷をさばくといった柔軟な対応が可能になります。
さらに、物流のプロがマニュアルや専用設備を用いて作業を行うため、ミスが減り、安定した高品質な仕上がりを維持できます。
外注するデメリット
一方で、外注にもいくつかのデメリットや注意点が存在します。
一つ目は「社内にノウハウが蓄積されない」ことです。
顧客が喜ぶラッピングの工夫や、効率的なセット組みのコツといった現場の知見が自社に残らなくなるため、完全に業者任せにしてしまうと、改善提案の主導権を握れなくなる恐れがあります。
二つ目は「情報伝達のタイムラグと柔軟性の低下」です。
自社であれば「今日から急遽、このチラシを追加で入れて!」と口頭で指示できても、外注先にはシステムを通じた事前指示や、作業ルールのすり合わせが必要になります。
イレギュラーな要望に対する即日対応が難しくなるケースがあるため、外注先との綿密なコミュニケーションと、柔軟な対応が可能なパートナー選びが重要になります。
また、個人情報(送付先など)を含む作業を委託する場合は、情報セキュリティリスクへの配慮も必要です。
流通加工の委託先の選び方
流通加工を外部に委託する際、どの物流会社を選べばよいのか迷う方は多いでしょう。
単に「見積もりが安いから」という理由だけで選ぶと、後々トラブルになる可能性があります。以下の4つのポイントを基準に、自社に最適な委託先を選定してください。
対応できる加工の範囲
まずは、自社が希望する加工業務に対応できる設備とノウハウを持っているかを確認します。
物流会社によって得意分野は異なります。例えば、アパレルの検針・プレス加工が得意な会社、大量のDMの丁合が得意な会社などがあります。
また、化粧品や医薬部外品を扱う場合、シール貼りやパッケージの詰め替えを行うには「化粧品製造業許可(包装・表示・保管)」といった法的許可を取得している倉庫でなければ作業ができません。
食品を扱う場合も、温度帯管理や食品衛生法に基づく許可が必要です。取り扱う商材に特化したライセンスや実績があるかを必ずチェックしましょう。
品質管理体制
流通加工の品質はブランドの信用に関わるため、どのような品質管理体制(QC)を敷いているかが重要です。以下の点を確認しましょう。
- 作業マニュアルが標準化されているか
- システム(ハンディターミナル等)を利用したバーコード検品を行っているか
- 誤配や加工ミスが起きた場合の責任の所在(SLA:サービスレベルアグリーメント)が明確か
- 倉庫内に監視カメラ(防犯・作業記録用)が設置されているか
品質に自信のある物流会社は、倉庫見学を歓迎してくれます。
実際に現場を訪問し、整理整頓(5S)が行き届いているか、スタッフの作業態度が真剣かを確認することをおすすめします。
料金体系
流通加工の料金体系は、「単価(ピース)制」と「時間(アワー)制」の2パターンが主流です。
「シール貼り1枚○円」「チラシ封入1点○円」のように単価が明確に決まっている方が、EC事業者としてはコスト計算がしやすいため安心です。
ただし、複雑なギフトラッピングや、検品の難易度が高い商材など、作業時間が読めない特殊な加工の場合は、作業員1名あたりの時間給で計算されることもあります。
初期費用や、イレギュラー対応時の追加料金が発生するかどうかも含め、透明性の高い見積もりを出してくれる業者を選びましょう。
物流業務との一括委託
流通加工だけをA社に委託し、保管と配送をB社に委託する…といった分断は避けるべきです。
商品の横持ち(A社からB社への輸送)による運賃や時間が無駄にかかるだけでなく、在庫データの連携が複雑になり、トラブルの温床となります。
最も効率的なのは、「入庫・保管・流通加工・梱包・出荷手配」までをワンストップで一括委託できる物流会社(3PL事業者)を選ぶことです。
これにより、リードタイムの短縮とトータル物流コストの削減が実現します。
後述する越境ECのように、国内外に向けた複雑な物流を構築する場合は、システム面での連携力も不可欠になります。
越境ECで求められる流通加工
近年、日本の事業者が海外の消費者に商品を直接販売する「越境EC」の市場が急拡大しています。
国内向けのECとは異なり、国境を越えて商品を届ける越境ECでは、現地の法律、言語、過酷な輸送環境などに適応するための、より専門的で高度な流通加工が求められます。
ここでは、越境ECを成功させるために必要不可欠な流通加工のポイントを解説します。
外国語ラベルへの対応
海外へ商品を輸出・販売する際、大きな壁となるのが各国の法規制です。
特に食品、化粧品、サプリメントなどを販売する場合、販売先国の法律に基づいた言語での成分表示や注意書きが必須となるケースが多々あります。
例えば、アメリカ向けに販売する場合はFDA(米国食品医薬品局)の基準を満たす英語ラベル、台湾向けであれば現地の基準に沿った繁体字ラベルが必要です。
日本のパッケージのままでは税関で止められたり、販売が許可されなかったりします。
越境ECに強い物流倉庫では、事業者が用意した翻訳データに基づき、出荷先国に応じた外国語の法定表示ラベルの作成と貼り付け(ラベリング)を柔軟に行うことができます。
これを物流プロセス内に組み込むことで、国別の専用在庫を抱えることなく、1つの国内在庫から世界中へ多言語対応で出荷することが可能になります。
輸出に耐える梱包
流通加工の一環として行う「梱包・包装」の基準も、国内とはまったく異なります。
海外の配送品質は日本ほど丁寧ではないことが多く、荷物の乱暴な取り扱い(投げ当て)、長時間のフライトによる気圧・温度変化、税関での開梱検査など、商品の破損リスクが飛躍的に高まります。
そのため、越境ECでは「輸出仕様の厳重な梱包(エクスポート・パッキング)」という特殊な流通加工が必要になります。
国内向けの薄い段ボールではなく、ダブルフルート(2層構造)などの強度の高い輸出用カートンを使用する、隙間をエアクッションで完全に埋め尽くす、水濡れ対策として商品をさらに厚手のビニールでシュリンクする、といった加工です。
また、国際配送料は「実重量」と「容積重量(サイズ)」の大きい方で計算されるため、安全性を確保しつつ、極限までコンパクトに梱包(リパック)する熟練の技術がコスト削減に直結します。
海外販売向けのセット組み
越境ECでは、現地の文化や消費者の購買行動に合わせた「セット商品(アソート)」の作成も有効な流通加工です。
海外からの購入は送料が高額になるため、消費者は「せっかく高い送料を払うなら、まとめ買いをしたい」という心理が働きます。
そこで、例えば「日本の抹茶お菓子10種類詰め合わせボックス」や「人気スキンケアブランドのコンプリートセット」といった越境EC専用のアソート品を物流倉庫で作成します。
これにより、客単価(AOV)を大幅に引き上げ、送料の割高感を相殺させることができます。
また、海外のイベント(中国の独身の日、アメリカのブラックフライデーやサイバーマンデーなど)に合わせた専用のギフトラッピングや、現地の言語で書かれたサンクスカードの封入を行うことも、海外リピーターを獲得するための強力な武器となります。
越境ECの流通加工ならNEOlogiへ
これまで解説してきたように、流通加工は顧客満足度を高め、売上を最大化するための重要な戦略です。
しかし、特に越境ECにおいて、多言語ラベルの対応や輸出耐性のある梱包、複雑なセット組みなどを自社で完璧に行うには、膨大な手間と専門知識が必要になります。
海外販売に必要な流通加工から配送までをすべて任せるなら、越境ECに強いクラウド物流アウトソーシングが有力な選択肢となります。
「NEOlogi(ネオロジ)」は、初期費用・固定費ゼロの従量課金制で利用できる、クラウド型の物流代行サービスです。
国内向けの発送はもちろん、世界150カ国以上への越境EC物流に強みを持っています。複雑な海外向けの梱包や、チラシの封入、セット組みといった流通加工にも柔軟に対応。
システム連携により、国内外の出荷指示から流通加工の依頼までを一つの管理画面で完結でき、事業者の負担を劇的に軽減します。
自社の越境ECビジネスを次のステージへ引き上げたい方は、ぜひNEOlogiの導入をご検討ください。
まとめ
流通加工とは、物流の過程で商品に新たな付加価値を与え、販売を促進するための重要なプロセスです。
組み立てや裁断を行う「生産加工」から、ラベリングやセット組み、ギフトラッピングといった「販促加工」まで、その種類と目的は多岐にわたります。
自社でこれらの作業を行うには人手やスペースの限界があるため、プロの物流業者へ外注することで、コア業務への集中と品質の向上が実現します。
とりわけ越境ECにおいては、海外向けの特殊なラベリングや頑丈な梱包といった流通加工がビジネスの成否を分けるカギとなります。
本記事で解説した選定ポイントを参考に、自社のニーズに合った最適な物流パートナーを見つけ、EC事業のさらなる成長に繋げてください。
NEOlogi営業担当
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NEOlogiは国内外世界150ヵ国以上に配送ができる、 EC事業者向けの配送代行サービスです。
物流部分にお悩みをお持ちでしたらお気軽にお問い合わせください。