海外物流・配送代行とは?業者選びのポイントや通関の課題を解説

越境EC市場の拡大に伴い、海外への販路拡大を検討する事業者が急増しています。しかし、いざ海外販売を始めようとしたとき、最大の壁となるのが「海外物流(海外配送)」の複雑さではないでしょうか。

「通関書類の書き方がわからない」「配送料金が高すぎて利益が出ない」「配送遅延や紛失時の対応が不安」……。こうした悩みは、多くのEC事業者様が共通して抱える課題です。

本記事では、これらの課題を解決する「海外物流代行」の基礎知識から、具体的な業務範囲、業者選びの失敗しないポイントまで、物流のプロが徹底解説します。記事の後半では、クラウド物流アウトソーシング「NEOlogi」を活用した効率化の事例もご紹介しますので、海外展開を成功させたい方はぜひ最後までご覧ください。

海外物流代行とは

海外物流代行(海外配送代行)とは、商品の保管、梱包、輸出書類の作成、通関手続き、そして海外の購入者への配送手配まで、一連の物流業務を専門業者が請け負うサービスのことです。

国内物流とは異なり、海外物流には「関税」「法規制」「長距離輸送」「言語の壁」といった多くのハードルが存在します。これらを自社ですべてまかなおうとすると、専門知識を持ったスタッフの採用や、煩雑なトラブル対応が必要となり、本来注力すべき「商品開発」や「マーケティング」にリソースを割けなくなるリスクがあります。

海外物流代行を利用することは、単なる「作業のアウトソーシング」ではなく、「物流品質の安定化」と「海外進出のリスクヘッジ」を行うための戦略的な投資と言えます。

【海外物流代行の主な役割】

  • 海外発送に必要な書類(インボイス等)の作成代行
  • 最適な配送キャリア(EMS、クーリエ等)の選定と手配
  • 海外配送に適した梱包と緩衝材の選定
  • 万が一のトラブル時の配送業者との折衝

海外物流代行に依頼できる業務範囲

一口に「海外物流代行」といっても、その業務範囲は多岐にわたります。単に荷物を右から左へ流すだけではありません。プロの代行会社は、輸出入に関わる複雑なプロセスを包括的にサポートします。ここでは、具体的にどのような業務を任せることができるのかを解説します。

複数配送キャリアの手配

海外配送には、日本郵便(EMS・国際eパケット等)や、DHL・FedEx・UPSといった民間クーリエ(国際宅配便)など、多様な選択肢があります。配送代行会社は、これら複数のキャリアと大口契約を結んでいることが一般的です。

発送する商品の「サイズ」「重量」「仕向け地(国・地域)」、そして「配送スピード」の優先度に合わせて、その都度最適なキャリアを選定し、手配できるのが大きな強みです。個人で契約するよりも割安な特別運賃(ボリュームディスカウント)が適用されるケースも多く、コスト削減にも寄与します。

輸出入書類の作成と通関手続き

海外物流において最もミスが許されないのが、通関(税関)に関する手続きです。代行会社は以下のような専門的な業務をサポートします。

  • インボイス(送り状)の作成: 品名、数量、価格、原産国などを英語で正確に記載します。
  • HSコードの特定: 商品ごとの品目分類コードを特定し、関税率の決定をスムーズにします。
  • 必要書類の確認: 食品衛生法やワシントン条約など、各国の輸入規制(非関税障壁)に対応する書類のアドバイスを行います。

これらの書類に不備があると、税関で荷物が止まったり、最悪の場合は廃棄・返送されたりするリスクがあります。プロに任せることで、こうした「通関リスク」を最小限に抑えることが可能です。

現地配送

国際輸送(フライト)が終わった後、現地の空港から購入者の手元に届ける「ラストワンマイル」も重要な業務範囲です。大手クーリエであれば自社ネットワークで配送しますが、地域によっては現地の提携配送業者が担当する場合もあります。

質の高い物流代行会社は、現地の配送事情(住所の書き方の癖や、不在時の対応など)にも精通しています。追跡番号(トラッキングナンバー)の管理を一元化し、現地で配送トラブルが起きた際にも、配送キャリアへの調査依頼を代行してくれるため、ショップ運営者の精神的な負担を大幅に軽減できます。

海外物流代行を利用するメリット

自社で海外発送を行う場合と比較して、専門の代行業者を利用することには明確なビジネス上のメリットがあります。コスト面だけでなく、事業の成長スピードを加速させる観点からも、以下のメリットを理解しておきましょう。

手間と時間の削減につながる

越境ECにおいて、受注から発送完了までの作業は非常に煩雑です。配送伝票の作成、インボイスの印刷、頑丈な梱包作業、集荷の手配など、1件の発送にかかる時間は国内発送の比ではありません。

物流代行を利用すれば、これらの作業をすべて丸投げできます。特に、出荷量が増える繁忙期(ブラックフライデーやホリデーシーズン)でも、物流波動に左右されずに安定した出荷が可能になります。空いたリソースを販促活動やカスタマーサポート、新商品の開発に充てることで、売上アップの好循環を生み出すことができます。

関税やVATなどのアドバイスがもらえる

海外販売では、国ごとに異なる関税ルールや、VAT(付加価値税)、GST(物品サービス税)などの税制を理解する必要があります。例えば、EU向けのIOSS(ワンストップショップ制度)への対応や、アメリカの免税輸入限度額(デミニミス)の知識などは、個人で常に最新情報を追うのは困難です。

「この商品はこの国に送ることが出来るか」「関税元払(DDP)と着払(DDU/DAP)のどちらが良いか」といった、利益に直結する専門的なアドバイスを受けられる点は、非常に大きなメリットです。

NEOlogiなら越境ECの経験が豊富

ここで、私たちNEOlogi(ネオロジ)の強みについても少し触れさせてください。NEOlogiは、越境ECに特化したクラウド型物流アウトソーシングサービスです。

ShopifyやBASEなどの主要なECプラットフォームとAPI連携しており、注文情報を自動で取り込み、配送ラベルやインボイスを即座に発行・出荷指示が可能です。また、世界150ヶ国以上への配送実績を持ち、EMSや国際宅急便、さらには指定業者への引き渡しまで幅広く対応しています。

「初めての海外発送で不安」という方から、「月間数千件の発送を効率化したい」という事業者様まで、越境EC特有の課題を熟知したシステムとサポート体制で、皆様の海外販売をバックアップします。

越境ECにおける物流の課題とリスク

海外物流代行を利用するにせよ、自社で行うにせよ、越境ECには国内取引にはない特有の「リスク」と「課題」がつきまといます。これらを事前に把握し、対策を講じておくことが成功の鍵です。

配送遅延や紛失リスクへの対応

国際物流は、天候、航空便の減便、通関の混雑、ストライキ、さらには地政学的なリスクなど、不確定要素が非常に多いのが特徴です。特にホリデーシーズンは世界的に物流が逼迫し、配送遅延が常態化します。

また、荷物の紛失や破損(ダメージ)のリスクも国内より高くなります。重要なのは、「万が一」に備えて損害賠償制度(保険)が充実している配送方法を選ぶこと、そしてトラブル発生時に迅速に顧客へ状況説明ができる体制を整えておくことです。

リードタイムの長期化

海外配送は物理的な距離があるため、どうしても顧客の手元に届くまでに時間がかかります(リードタイム)。リードタイムが長すぎると、購入率の低下やキャンセル、顧客満足度の低下(クレーム)につながります。

  • SAL便・船便: 安価だが数週間〜数ヶ月かかる。
  • EMS・航空便: バランスが良いが、状況により遅延も。
  • クーリエ(DHL/FedEx等): 最速(数日)だがコストが高い。

このように、コストとスピードはトレードオフの関係にあります。商品の単価や顧客のニーズに合わせて、適切な配送モードを使い分ける戦略が求められます。

物流コストの増加

越境ECの利益を圧迫する最大の要因が物流コストです。国際送料だけでなく、以下のコストが発生します。

コスト項目 概要
容積重量(Volumetric Weight) 実重量が軽くても、箱のサイズが大きいと送料が高額になる計算方式。
燃油サーチャージ 原油価格に連動して加算される料金。月ごとに変動する。
地域外集配料 配送困難地域(リモートエリア)へ届ける際に追加される高額な手数料。

これらのコスト構造を理解し、梱包サイズを小さくする工夫や、最適な代行業者選びをしなければ、売れば売るほど赤字になる可能性さえあります。

業者選びで確認すべき重要ポイント

海外物流代行業者は数多く存在しますが、そのサービス品質や得意分野は千差万別です。自社のビジネスに合ったパートナーを選ぶために、必ず確認すべき4つのポイントを紹介します。

複数の配送キャリアが利用できるか

一つの配送キャリア(例:郵便局のみ)に依存するのはリスクが高いです。コロナ禍のように、特定のキャリアが特定の国への引受を停止するケースがあるからです。

「EMSが止まったらDHLに切り替える」「急ぎでない商品はeパケットを使う」といったように、複数の選択肢を持ち、柔軟に切り替えられる代行業者を選びましょう。これにより、配送不可による機会損失を防ぐことができます。

取り扱い実績と得意分野

業者によって「得意な国」や「得意な商材」が異なります。「アメリカ向けのアパレルには強いが、アジア向けの食品は苦手」といったケースも少なくありません。

自社が攻めたい国への配送実績が豊富か、取り扱う商材(化粧品、食品、雑貨など)の輸出規制や梱包ノウハウを持っているかを確認してください。可能であれば、同業種の導入事例があるかを聞いてみるのも良いでしょう。

トラブル時のサポート体制や言語対応

配送トラブルが起きた際、代行会社がどこまでサポートしてくれるかは極めて重要です。

  • 配送キャリアへの調査請求を代行してくれるか?
  • 紛失時の補償申請をサポートしてくれるか?
  • システムや問い合わせ対応は日本語で完結するか?

特に海外の物流会社と直接契約する場合、時差や言語の壁でトラブル対応が後手に回ることがあります。日本語で迅速なサポートが受けられる国内系(または日本法人のある)代行会社を選ぶのが安心です。

料金体系の明瞭さ

見積もりの安さだけで選ぶのは危険です。「基本料金は安いが、オプション料金が積み上がって結局高くなった」という失敗談は後を絶ちません。

入庫料、保管料、梱包料、配送料、システム利用料など、トータルの物流コストが明確になっているかを確認しましょう。隠れたコストがないか、料金シミュレーションができるシステムを持っているかどうかも、信頼できる業者を見極めるポイントです。

まとめ

海外物流代行は、越境EC成功のための強力なパートナーです。複雑な通関手続きや配送手配をプロに任せることで、事業者は「売るための活動」に集中でき、誤配送や遅延といったリスクを大幅に低減できます。

業者選びの際は、単なる料金比較だけでなく、「複数キャリアへの対応力」「トラブル時のサポート体制」「越境ECシステムとの連携」を重視してください。

もし、これから海外配送の体制を整えたい、あるいは現在の物流オペレーションに課題を感じているのであれば、ぜひ一度「NEOlogi」にご相談ください。初期費用・固定費0円から始められ、Shopify等のカートとも自動連携。物流のプロフェッショナルとして、貴社の世界進出をスムーズに、そして強力にサポートいたします。

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株式会社ネオ・ウィング
 
黛 将広

株式会社ネオ・ウィング 取締役 / 物流代行サービス「NEOlogi」 責任者

物流業務の効率化・業務改善及び、ECに関する一連業務のDX支援など、EC運営経験およびNEOlogiで培ったシステム開発力でお客様の課題を解決します。

国内配送はもちろん、海外配送や越境EC運営でお困りのことがありましたらお気軽にお問合せください。