EC事業で物流会社を選ぶときの大切な5つのポイント

ECや越境EC、D2Cといったビジネスが拡大する中で、事業の成長を支える重要な要素が「物流」です。どれほど良い商品を扱っていても、物流品質が低ければ顧客満足度は下がり、リピート率にも悪影響を及ぼします。

そのため、信頼できる物流パートナーの選定は、売上やブランド価値に直結する戦略的な判断と言っても過言ではありません。

弊社は自社ECサイトを20年以上運営しており、最初はオフィスの一画で梱包作業をしていました。その後、物流会社にアウトソーシングをしてこれまで5社の物流会社に物流委託を行っています。

本記事では、自社ECサイトの物流委託経験から導き出した「物流会社を選ぶ際に確認すべき5つのポイント」を具体的に紹介します。物流の品質を見極めるための判断軸として、ぜひ参考にしてください。

管理体制の徹底は信頼の証

「見えない部分」に品質の差が出る

物流倉庫の品質は、現場の管理体制に大きく左右されます。一見、どの倉庫も徹底した安全管理や整理整頓がされていると思いますが、実際には安全性・マニュアル整備・清掃ルールの徹底度などに大きな差があります。

例えば、商品の誤出荷や破損、在庫紛失といったトラブルは、マニュアルや教育体制が整っていない現場で起こりやすい傾向があります。「出荷精度99.9%」をうたう倉庫でも、その裏には現場ルールの継続的改善と徹底的な管理があります。

倉庫見学は“チェックのチャンス”

もし可能であれば、倉庫を実際に見学するのが最も確実な方法です。整理整頓の状況、作業員の動線、ラベルの管理方法、温度や湿度の管理などを確認すると、倉庫の運営レベルがよく分かります。

倉庫見学で一番わかりやすいのは倉庫の床にゴミが落ちていないか、在庫が通路に出しっぱなしになっていないかなど、整理整頓や清掃が行き届いているかです。

NEOlogiでは倉庫見学を推奨しています。現場を自分の目で見ることで、安心感と信頼性を確かめることができるでしょう。物流倉庫を検討されている方は契約前に倉庫見学をお勧めいたします。

人頼みの物流は限界がある

システム化の遅れは“ミス”と“非効率”の温床

在庫管理や出荷指示、伝票発行を人手で行っている倉庫は、どうしても作業ミス・情報の遅延・人件費の増大といった問題を抱えます。

特にEC事業では、SKU数が多く、出荷件数が日々変動するため、システムによるデータ連携と自動化が不可欠です。たとえば、Shopify・BASEなどのECカートとAPI連携ができるかどうか、在庫数がリアルタイムで反映されるかどうかは重要な判断基準です。

システムが物流の再現性を支える

システム化は、単に効率を上げるだけでなく、「いつ・誰が・どの商品を・どのように出荷したか」をデータとして残し、作業の再現性と品質保証を実現します。その結果、出荷量が増えても安定したサービス品質を維持できるようになります。

物流はスタートするまでも大変ですが、スタートしてから改善することが重要です。その際、必要になるのがシステム開発です。

多くの物流会社はシステムを外注して開発しています。システムを外注している物流会社は対応が遅くなることがあり、費用も高額になる傾向があります。

自社でシステム開発部隊を持っている物流会社は少ないですが、外注でシステム開発を行うには限界がありますので、システム開発を自社で行うことができ、加えてシステム改修に積極的な物流会社を選択するのは重要なポイントだと考えています。

改善し続ける姿勢があるか

「現場改善の文化」がある倉庫は強い

物流現場は、1つのミスや無駄な動線が全体の生産性に大きく影響します。
そのため、日々の作業を分析し、効率化や標準化を進める改善文化があるかどうかが、良い倉庫の見極めポイントです。

現場スタッフが気づきを共有し、工程を改善していく風土がある会社は、トラブルが起きても迅速に対応できる強さを持っています。

改善提案が「顧客の利益」につながる

優れた物流会社は、自社の都合ではなく、顧客のコスト削減・リードタイム短縮を目的に改善を行います。例えば、「この梱包方法に変えると生産性がアップします。」といった提案をしてくれるパートナーは信頼に値します。

NEOlogiの倉庫では日々改善提案が行われており、作業を効率化するために保管レイアウトの見直しや作業工程の変更、省人化設備の導入を積極的に行っています。

商材理解の深さが品質を決める

商材特性を理解しているか

キャラクターグッズ、化粧品、アパレル、食品、など、商材ごとに最適な物流オペレーションは異なります。キャラクターグッズのようなコレクター商品は少しの傷でもお客様からご指摘を受けることもあるため、商品に精通したスタッフによる独自の検品精度が必要とされます。

そのため、自社の商材と近い取扱実績を持つ物流会社を選ぶことが重要です。
現場スタッフが商材の特性を理解していれば、検品精度が向上し返品の減少につながります。

事例・導入実績を確認する

契約前に、「同業種のクライアント実績はありますか?」と質問してみましょう。
具体的な取扱件数や実績データを提示できる会社は、それだけ現場経験とノウハウが蓄積されている証拠です。

NEOlogiでは、キャラクターグッズ、アパレル・雑貨・越境ECなど多様な商材の実績があり、商材ごとの課題に即した最適な提案を行っています。

未来を見据えた物流パートナーを選ぶ

「人手不足時代」に対応できる倉庫か

物流業界は慢性的な人手不足に直面しています。この状況で安定した出荷体制を維持するには、省人化・自動化への投資が欠かせません。

ピッキングロボット、搬送用AGV、AI検品カメラなど、最新のテクノロジーを導入している物流会社は、単に「人を減らす」だけでなく、「人がより付加価値の高い業務に集中できる仕組み」をつくっています。

テクノロジー活用が“安定品質”を生む

テクノロジー導入は、コスト削減だけでなく、出荷スピードと正確性の両立を実現します。
また、AIによる需要予測や在庫最適化を活用すれば、繁忙期やセール時にも安定的に対応できる体制を構築できます。

NEOlogiでは自社開発の物流インターフェースに加え、自動仕分け機の導入などを積極的に行っております。中小規模の物流倉庫ではすべてを自動化すればOKということではなく、自分たちの強みを活かしつつ自動化できるところは積極的に自動化する方法がベストだと考えています。

信頼できる物流パートナーを見極めるために

物流会社を選ぶ際は、「コスト」や「立地」だけで判断するのではなく、現場の管理体制・システム・改善力・経験値・技術力を総合的に見ることが重要です。

ポイントチェック項目
倉庫管理清掃・マニュアル・安全体制
システム化API連携・自動化・リアルタイム管理
改善姿勢データ分析・改善提案・PDCA運用
商材経験類似業種の実績・対応ノウハウ
技術活用自動化・省人化・AI活用

良い物流パートナーは、単なる“外注先”ではなく、共に成長するビジネスパートナーです。
NEOlogiでは、スモールスタートから中長期の拡張まで、事業ステージに合わせた最適な物流体制を提案しています。

「これから物流を委託したい」「今の倉庫を見直したい」と考えている方は、ぜひ一度NEOlogiまでご相談ください。

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株式会社ネオ・ウィング
 
黛 将広

株式会社ネオ・ウィング 取締役 / 物流代行サービス「NEOlogi」 責任者

物流業務の効率化・業務改善及び、ECに関する一連業務のDX支援など、EC運営経験およびNEOlogiで培ったシステム開発力でお客様の課題を解決します。

国内配送はもちろん、海外配送や越境EC運営でお困りのことがありましたらお気軽にお問合せください。