EC物流とは?業務の流れや課題、代行会社の選び方を解説

EC事業の成長に伴い、商品をお客様へ届けるための「EC物流」の重要性がかつてないほど高まっています。
「売上は伸びているのに、出荷作業に追われてコア業務に集中できない」「誤出荷や配送遅延が発生し、顧客満足度が低下している」といった悩みを抱えるEC事業者や輸出入担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、EC物流とは何かといった基礎知識から、特有の業務フローや課題、そしてそれらを解決するための物流代行会社の選び方までを網羅的に解説します。
国内だけでなく、今後の成長市場である「越境ECの物流」についても詳しく触れていますので、ぜひ貴社の物流改善や海外展開の参考にしてください。
EC物流とは
EC物流とは、インターネット通販(EC)において、お客様が注文した商品を確実にお手元に届けるための一連のプロセスのことを指します。
具体的には、商品の入荷、EC倉庫での保管、受注処理、ピッキング、梱包、そして出荷・配送に至るまでのすべての工程が含まれます。近年では「通販物流」と呼ばれることもあります。
結論から言うと、EC物流は単なる「モノの移動」ではありません。
お客様が商品を受け取り、箱を開ける瞬間の体験(顧客体験)を左右する、EC事業の最重要戦略のひとつです。
EC物流の品質が高ければリピーターの獲得に直結しますが、逆に品質が低ければクレームやブランドイメージの低下を招きます。
そのため、自社での運用が難しい場合は、専門の「物流代行」サービスを活用することが一般的になっています。
通常の物流との違い
EC物流と、店舗や企業向けに大量の物資を運ぶ「通常の物流(BtoB物流)」とでは、求められる機能や特性が大きく異なります。
最も大きな違いは、「配送先」と「一度に運ぶ量」です。
BtoBの通常物流では、特定の店舗や卸問屋に対して、パレットやケース単位で大量の商品を計画的に納品します。
一方、EC物流(BtoC物流)では、全国各地にいる個人の消費者に対して、商品1点からバラ単位で配送を行います。
そのため、EC倉庫でのピッキング作業は細かく複雑になり、梱包も消費者向けに丁寧に行う必要があります。
また、納品先が個人宅であるため、不在時の再配達対応や、時間指定配送といった細やかなサービスが求められる点も、EC物流ならではの大きな違いと言えます。
EC市場の拡大と物流の重要性
近年、スマートフォンやインターネットの普及、ライフスタイルの変化により、国内外のEC市場は右肩上がりで急成長しています。
誰もが手軽にネットで買い物ができるようになった反面、消費者の要求水準も高まっています。
「注文した翌日に届いて当たり前」「送料無料が嬉しい」「梱包が綺麗で安心できる」といった消費者の期待に応えるためには、高度なEC物流の仕組みが不可欠です。
EC市場が拡大すればするほど、物流拠点のキャパシティや作業人員の確保、配送網の最適化が急務となります。
物流がパンクしてしまえば、どんなに優れた商品を販売していても売上を伸ばすことはできません。
つまり、強固な物流基盤を構築することこそが、激化するEC市場で生き残り、事業をスケールさせるための絶対条件となっているのです。
EC物流の特徴
EC物流には、従来の企業間物流にはない特有の傾向があります。
ここでは、EC物流を運用・構築する上で理解しておくべき4つの大きな特徴を解説します。
小口配送が多い
EC物流の最大の特徴は、「多品種・小ロット・多頻度」での小口配送が中心となることです。
お客様一人ひとりが欲しい商品を、欲しい数だけ(多くの場合1点〜数点)注文するため、出荷の単位は非常に小さくなります。
これに伴い、EC倉庫内での作業は「ケース単位」ではなく「ピース(バラ)単位」でのピッキングが主となります。
1日に数千件、数万件の注文を処理する大規模なECサイトであっても、一つひとつの注文は小口であるため、作業の細かさと正確性が強く求められます。
また、配送業者のトラックにも大小さまざまなサイズの段ボールや封筒が積み込まれるため、積載効率の最適化や配送料金のコントロールが、EC事業者の利益率に直結する重要な要素となります。
短いリードタイムが求められる
現代のECにおいて、注文からお届けまでのリードタイム(所要時間)の短さは、強力な競争優位性となります。
「お急ぎ便」や「即日出荷・翌日配達」といったサービスが普及したことで、消費者は商品がすぐに手元に届くことを当然のように期待しています。
そのため、EC物流の現場では、午後〜夕方までに受けた注文をその日のうちに出荷するスピード感が求められます。
短いリードタイムを実現するためには、受注データと倉庫管理システム(WMS)のシームレスな連携、無駄のないピッキング動線の設計、効率的な梱包作業など、物流センター全体の高度なシステム化とオペレーションの洗練が不可欠です。
ギフト対応や同梱物対応が発生する
EC物流では、単に商品を箱に詰めるだけでなく、顧客体験を向上させるための細やかな付加価値作業(流通加工)が頻繁に発生します。
代表的なものが「ギフトラッピング」や「のし付け」などのギフト対応です。
お中元・お歳暮の時期や、母の日、クリスマスなどのイベント時には、このギフト対応の需要が急増します。
また、リピート購入を促すためのサンクスカードや、次回使えるクーポンの封入、サンプル品の同梱、チラシの差し込みなど、購入者や商品属性に合わせた「同梱物対応」もEC特有の作業です。
これらは手作業での対応となることが多く、作業マニュアルの徹底と、ミスを防ぐためのチェック体制が求められます。
返品・交換対応が多い
インターネット通販は、実物を手に取って確認できないという性質上、店舗販売と比較して返品や交換が発生しやすいという特徴があります。
特にアパレルや靴などのサイズ展開がある商材では、「サイズが合わなかった」「イメージと違った」という理由での返品対応(リバースロジスティクス)が日常的に発生します。
返品された商品は、ただ受け取るだけでなく、状態の確認(検品)、再パッケージ、在庫データへの戻し入れ(良品の場合)、またはB品・廃棄処分の判断といった複雑な処理が必要です。
この返品対応をいかにスムーズかつ低コストで処理できるかが、健全なEC倉庫運営の鍵となります。
EC物流の業務の流れ
EC物流の業務フローは、商品が倉庫に到着してからお客様の元へ発送されるまで、複数の工程に分かれています。
全体像を把握することで、どこに課題があるのかを見つけやすくなります。基本的な流れは以下の通りです。
入荷・検品
最初のステップは「入荷と検品」です。
仕入先や自社工場からEC倉庫に到着した商品を受け入れます。
この際、納品書と実際の商品を照らし合わせ、「数量に間違いはないか」「商品に傷や汚れ、破損などの不良がないか」を厳しくチェック(検品)します。
アパレルであれば針の混入を調べる検針作業が含まれることもあります。
ここで不良品を見逃すと、お客様へのクレームに直結するため、非常に重要な工程です。
検品が完了した商品は、システムに在庫として登録されます。
保管
検品を終えた商品は、倉庫内の指定された場所(ロケーション)に格納し「保管」されます。
EC倉庫における保管のポイントは、単に置いておくことではなく「すぐに出荷できる状態で管理する」ことです。
そのためには、商品ごとにバーコードやRFIDタグを割り振り、どの棚のどの位置に何個あるのかを正確に把握するロケーション管理が必須です。
また、食品や化粧品であれば温度・湿度管理、アパレルであればハンガー保管など、商品の特性に合わせた最適な保管環境を整える必要があります。
受注処理
お客様がECサイトで商品を注文すると発生するのが「受注処理」です。
注文データ(受注情報)をシステムで受け取り、決済状況(クレジットカードの承認、入金確認など)をチェックします。
問題がなければ、在庫を引き当て(確保し)、倉庫の作業現場に向けて「出荷指示データ(ピッキングリストなど)」を発行します。
この工程が自動化されているか、手動でCSVをアップロードしているかによって、出荷までのリードタイムが大きく変わってきます。
ピッキング
出荷指示に基づき、広大な倉庫内の棚から該当する商品をピックアップして集める作業が「ピッキング」です。
EC物流ではバラ単位での細かいピッキングが主となるため、作業員の移動距離をいかに短縮するかが効率化の鍵を握ります。
注文ごとに商品を1つずつ集める「シングルピッキング(摘み取り方式)」と、複数の注文の商品をまとめて集めた後に仕分ける「トータルピッキング(種まき方式)」があり、商材や出荷件数に応じて最適な手法が採用されます。
梱包
ピッキングした商品と納品書を照合し、間違いがないか最終確認をした後、配送用の段ボールや袋に詰める作業が「梱包」です。
商品が配送中に破損しないよう、緩衝材(プチプチや紙など)を適切に使用します。
また、ECにおいて梱包は「お客様が最初に目にするブランドの顔」でもあります。
丁寧な梱包はもちろん、前述したサンクスカードやノベルティの同梱、ギフトラッピングなどもこの工程で行われます。
梱包が完了したら、配送業者の送り状(伝票)を貼り付けます。
出荷・配送
梱包が完了した荷物を、配送業者(ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便など)に引き渡す工程が「出荷」です。
荷物を配送業者のトラックに積み込んだ後、ECシステム上でお客様に「発送完了メール(お問い合わせ伝票番号付き)」を自動または手動で送信します。
その後、配送業者のネットワークを通じて、お客様の自宅や指定された場所(コンビニ受け取りなど)に商品が「配送」され、無事にお届けが完了すれば一連のEC物流プロセスは完了となります。
EC物流の課題
EC市場の成長は事業者にとって大きなチャンスですが、同時に物流現場には深刻な課題がのしかかっています。
自社の物流を改善するためには、まず現状のEC物流が抱える構造的な課題を理解する必要があります。
人手不足
物流業界全体が直面している最も深刻な課題が、慢性的な人手不足です。
ECの物量が増加する一方で、少子高齢化に伴う労働人口の減少により、倉庫内でピッキングや梱包を行う作業員、および配送を担うトラックドライバーの確保が非常に困難になっています。
特に、EC物流は細かい手作業が多く労働集約型になりがちです。
2024年問題(働き方改革関連法によるドライバーの時間外労働の上限規制)により、輸送力の低下も懸念されており、少ない人員でいかに効率よく回すかが死活問題となっています。
物流コストの上昇
物流コスト(配送費、人件費、資材費、倉庫保管料など)の高騰も、EC事業者の利益を圧迫する大きな課題です。
前述の人手不足による人件費のベースアップに加え、原油価格の高騰による配送業者の運賃値上げが相次いでいます。
また、段ボールなどの梱包資材の価格も上昇傾向にあります。
「送料無料」をアピールして販売促進を行っているEC事業者にとって、裏側で発生する物流コストの上昇は利益率を直接削るため、コスト削減と効率化の両立が急務とされています。
在庫管理の複雑化
EC事業が成長し、取り扱う商品(SKU)の数が増えたり、複数のECモール(楽天市場、Amazon、自社サイトなど)で多店舗展開を行ったりすると、在庫管理が劇的に複雑化します。
手動でエクセル管理をしていると、各モールの在庫情報の同期が遅れ、「注文が入ったのに在庫がない(売り越し)」というクレームや、「在庫があるのに欠品表示になっていて販売機会を逃す(買い越し)」といったトラブルが頻発します。
正確な在庫連動とリアルタイムな在庫把握ができていない状態は、EC事業にとって致命的です。
誤出荷などの作業ミス
人の手による作業が中心の現場では、ヒューマンエラーによる「誤出荷(違う商品を届けてしまう、数量を間違える)」が課題となります。
EC物流は小口で細かい商品が多く、パッケージが似ている商品や、サイズ・色違いの商品を間違えてピッキングしてしまうリスクが常にあります。
誤出荷はお客様からのクレームに直結するだけでなく、返品受付、正しい商品の再送、お詫び対応といった膨大なリカバリーコストを発生させます。
また、SNSなどでネガティブな口コミが広がるなど、ブランドの信頼を大きく損なう原因にもなります。
繁忙期の物量変動
EC特有の課題として、時期による物量の激しい波(波動)が挙げられます。
年末商戦、お中元・お歳暮、大型セールイベント(Amazonプライムデー、楽天スーパーSALEなど)、あるいはテレビやSNSで商品が紹介された際など、通常の数倍〜十数倍もの注文が突発的に集中することがあります。
この急激な物量変動に対して、固定のスタッフとスペースだけで対応しようとすると、出荷遅延によるパニックが発生します。
逆に、閑散期に合わせて人員を抱えすぎると無駄な固定費が発生するため、柔軟なリソース調整が課題となります。
EC物流の課題を解決する方法
上記のようなEC物流の課題を放置しておくと、事業の成長がストップしてしまう恐れがあります。
これらの課題を解決し、スケーラブルな物流基盤を構築するための4つの具体的なアプローチを紹介します。
業務フローの標準化
特定の熟練スタッフしかピッキングの場所がわからない、梱包の仕方が属人化しているといった状況を脱却するため、業務フローの標準化(マニュアル化)を行います。
「誰が作業しても同じスピード、同じ品質で完了する」仕組みを作ることが重要です。
商品ごとの梱包ルールの明文化、ピッキング手順の統一などを徹底することで、新人スタッフや繁忙期の短期アルバイトでも即戦力として動けるようになり、人手不足の解消と作業ミスの低減に繋がります。
倉庫管理システムの導入
誤出荷を防ぎ、在庫管理を正確に行うための強力な武器が「WMS(倉庫管理システム:Warehouse Management System)」の導入です。
WMSを導入し、商品と棚(ロケーション)をバーコード(ハンディターミナルなど)でスキャンして管理することで、人の目視に頼らない正確な在庫管理とピッキングが可能になります。
受注管理システム(OMS)とWMSを連携させれば、注文から出荷指示、在庫引き落としまでが自動化され、リードタイムの大幅な短縮とコスト削減が実現します。
倉庫レイアウトの見直し
作業効率は、倉庫内のレイアウトによって劇的に変化します。
よく売れる商品(Aランク商品)は梱包場所の近くに配置し、あまり売れない商品(Cランク商品)は奥に配置する「ABC分析」に基づいたロケーション配置を行うことで、作業員の歩行距離を大幅に削減できます。
また、入荷エリアから保管エリア、ピッキングエリア、梱包エリア、出荷エリアへと、モノが一方通行で流れるように動線を設計することで、作業の滞留を防ぐことができます。
物流代行への委託
自社で倉庫を構え、システムを導入し、スタッフを採用・教育するには、莫大な初期投資と管理リソースが必要です。
最も確実かつスピーディーに課題を解決する方法は、プロの「物流代行(発送代行)」企業へ業務をアウトソーシングすることです。
物流代行(3PL)を利用すれば、高度なWMSやマテハン機器(自動搬送ロボットなど)が整った環境を利用でき、プロのオペレーションによって誤出荷は極限までゼロに近づきます。
また、出荷件数に応じた従量課金制となるため、固定費を変動費化し、繁忙期の物量変動にも柔軟に対応することが可能になります。
EC物流を外注するメリット・デメリット
EC事業の成長に伴い、多くの企業が物流代行(発送代行)へのアウトソーシングを選択しています。
ここでは、物流を外注するメリットと、事前に知っておくべきデメリットを整理します。
外注するメリット
- コア業務への集中: 出荷作業や在庫管理に奪われていた時間を、商品開発、マーケティング、顧客対応といった「売上を伸ばすためのコア業務」に全振りできるようになります。
- 物流品質の向上: 物流のプロフェッショナルが最新のシステムと整備されたオペレーションで運用するため、誤出荷の削減、梱包品質の向上、リードタイムの短縮が実現し、顧客満足度が向上します。
- コストの最適化: 自社で倉庫を借りる固定の家賃や人件費が、利用した分だけ支払う「変動費」に変わります。
また、代行会社は配送業者と大口契約を結んでいることが多く、自社で契約するよりも配送料(送料)を安く抑えられるケースが多々あります。 - 波動への対応力: セール時などの急な注文増加に対しても、代行会社が柔軟に人員を配置してくれるため、出荷遅延を防ぐことができます。
外注するデメリット
- 自社に物流ノウハウが蓄積されない: すべての作業を外部に任せるため、社内に物流管理や梱包のノウハウが残りにくくなります。
将来的に完全自社運用に戻す場合はハードルが高くなります。 - 柔軟なイレギュラー対応が難しい: 「このお客様だけ特別に急ぎで」「今日だけ梱包仕様を変えてほしい」といった、マニュアル外のイレギュラーな要望には対応できないか、追加料金(オプション費用)が発生することがあります。
- 顧客との物理的接点が減る: 実際に商品を見て梱包する機会が減るため、商品の状態や顧客が受け取るパッケージの雰囲気を直接確認しづらくなります(代行会社との密なコミュニケーションで補う必要があります)。
EC物流代行の費用相場
物流代行の導入を検討する際、最も気になるのが費用です。
料金体系は大きく「固定費」と「変動費」に分かれます。以下の表は一般的なEC物流代行の費用相場(目安)です。
| 費用項目 | 種別 | 相場(目安) |
|---|---|---|
| 基本料金・システム利用料 | 固定費 | 月額 10,000円〜50,000円 |
| 保管料(1坪または1棚あたり) | 固定費/変動費 | 月額 4,000円〜7,000円/坪 |
| 入庫費用 | 変動費 | 1ピースあたり 10円〜30円 |
| 出荷作業料(ピッキング・梱包) | 変動費 | 1件あたり 150円〜350円 |
| 配送料(送料) | 変動費 | 1件あたり 400円〜(サイズ・地域による) |
| 梱包資材費 | 変動費 | 1件あたり 50円〜150円 |
固定費の相場
毎月必ず発生する費用が「固定費」です。
代表的なものが、情報の連携や管理を行うための「基本料金(システム利用料)」です。
相場は月額1万円〜5万円程度ですが、クラウド型のシステムを提供し基本料金を無料としている代行会社もあります。
また、商品を置いておくための「保管料」も発生します。
坪(約3.3平米)単位で計算される場合(4,000〜7,000円/月)と、棚(パレットやラック)単位、あるいは商品1個あたりの容積で細かく日割り計算される場合があります。
自社の商材のサイズや在庫の回転率に合わせて、どちらの算出方法が適しているかを見極めることが重要です。
変動費の相場
作業が発生した分だけ課金されるのが「変動費」です。EC物流においてはこの変動費がコストの大部分を占めます。
荷受けと検品を行う「入庫費用」は1ピースあたり10〜30円程度。注文に応じてピッキングから梱包までを行う「出荷作業料」は1件150〜350円程度が相場ですが、チラシ同梱やギフト対応などのオプションを追加すると加算されます。
そして最も大きなウェイトを占めるのが「配送料」です。
代行会社は特別運賃を持っていますが、サイズや配送エリアによって変動します。
複数社から見積もりをとる際は、単価だけでなく「自社の平均的な出荷サイズ・地域でのトータルコスト」で比較することが大切です。
EC物流代行の選び方
数ある物流代行会社(発送代行)の中から、自社に最適なパートナーを選ぶためには、コスト以外にも確認すべき重要なポイントがあります。
以下の4つの基準で比較検討を行いましょう。
対応業務の範囲
代行会社によって、得意とする作業や対応可能な流通加工の範囲は異なります。
「ギフトラッピングや熨斗(のし)掛けに対応できるか」「指定のチラシやサンプル品を条件分岐(初回購入者のみなど)で同梱できるか」「アパレルの検針やタグ付け、独自の検品基準に対応できるか」など、自社が顧客に提供したいサービスを妥協なく実現できるかを確認しましょう。
また、返品対応(リバースロジスティクス)やカスタマーサポートの代行まで一括で請け負ってくれる会社もあります。
料金体系
見積もりを取る際は、「表面的な単価の安さ」に騙されないように注意が必要です。
A社は出荷作業料が安いが梱包資材費が別料金で高い、B社は少し割高に見えるが資材費や基本料金がすべてコミコミになっている、といった違いがよくあります。
必ず、自社の「月間出荷件数」「平均的な商品のサイズ」「保管スペース」を明確に伝え、自社の条件に当てはめたシミュレーション(総額)で比較してください。
また、初期費用(システム導入費など)の有無も確認ポイントです。
システム連携
日々の業務を自動化するためには、自社が利用しているECカートシステム(Shopify、BASE、MakeShopなど)や、受注管理システム(ネクストエンジン、クロスモールなど)と、代行会社のシステムがAPI等でシームレスに連携できるかが極めて重要です。
システム連携がスムーズであれば、注文が入ると同時に倉庫へ自動で出荷指示が飛び、出荷が完了すれば追跡番号が自動でECサイト側に反映されるため、手動によるCSVデータのアップロード・ダウンロード作業を完全に無くすことができます。
拠点と配送スピード
代行会社の倉庫の立地(拠点)は、配送料と配送スピードに直結します。
ターゲット層(購入者)が多く住んでいるエリアの近くに倉庫があれば、配送料を安く抑えられ、かつ早く届けることができます。
例えば、全国展開している場合は関東や関西の中間地点にある拠点を選ぶ、あるいは東西に複数拠点を分散させるといった戦略が有効です。
また、「15時までの注文で即日発送」といった、自社が希望するリードタイムに代行会社のオペレーションが対応できるかも必ず確認しましょう。
越境ECの物流
国内市場が成熟する中、次なる成長の舞台として海外の消費者に商品を販売する「越境EC」に参入する企業が急増しています。
しかし、越境ECを成功させるための最大の壁となるのが「物流(海外発送)」です。
ここでは、越境EC物流特有の課題とポイントを解説します。
国内ECとの違い
越境ECの物流は、国内ECとは比較にならないほど複雑でハードルが高くなります。
第一に「通関手続き(税関)」の存在です。商品を国境を越えて送るため、インボイス(仕入書)などの通関書類を正確に作成・電子送信する必要があり、国ごとに異なる禁制品や関税の知識が求められます。
書類に不備があれば税関でストップし、配送遅延や返送の原因となります。
第二に「長距離・長時間の輸送によるダメージリスク」です。
海外配送は航空便や船便を利用し、何度も積み替えが行われるため、国内以上に頑丈な梱包が必須です。
第三に「配送料の高さとリードタイムの長さ」です。EMS(国際スピード郵便)やクーリエ(国際宅配便)を利用しますが、送料が商品代金を上回ってしまうこともあり、適切な配送手段の選択が利益を左右します。
海外発送の流れ
越境ECにおける一般的な海外発送のフローは以下の通りです。
1. 受注と書類作成:海外からの注文を受け、送り状(ラベル)に加え、通関に必要なインボイスを英語等で作成します。
2. 頑丈な梱包:国際輸送に耐えうるよう、緩衝材を多用し、強度の高い段ボールで厳重に梱包します。
3. 集荷・国内輸送:EMS等の集荷局や、国際配送業者の倉庫へ荷物を送ります。
4. 輸出通関:日本の税関で輸出許可を受けます。
5. 国際輸送(航空・海上):目的国へ向けて輸送されます。
6. 輸入通関:現地の税関で検査と関税の審査を受けます(ここで関税が発生する場合、受取人か差出人のどちらが払うか等の条件があります)。
7. 現地配送:現地の配送業者(現地の郵便局など)に引き継がれ、購入者の手元に届きます。
越境EC物流代行を選ぶポイント
このように専門知識が必要で手間のかかる越境EC物流は、自社で対応するよりも越境ECに特化した物流代行サービスを利用するのが最も安全で確実な方法です。選ぶ際のポイントは以下の通りです。
まず、「複数の配送キャリア(EMS、DHL、FedExなど)に対応しているか」。国や荷物の重量によって最適な(安くて早い)キャリアは異なるため、システムが自動で最適ルートを提案してくれる代行会社がベストです。
次に、「インボイス作成などの通関対応をシステムで自動化できるか」。手作業での書類作成はミスのもとです。
そして、Shopifyなどの「グローバルなECカートと連携実績があるか」も重要です。海外向けの言語や通貨に対応したシステムとのシームレスな連携は必須条件と言えます。
越境ECの物流代行ならNEOlogiへ
国内・海外を問わず、EC物流の課題解決と事業のグローバル展開を同時に進めるなら、クラウド物流アウトソーシング「NEOlogi(ネオロジ)」の活用が有効です。
NEOlogiは、EC事業者様が抱える物流の手間をゼロにするサービスです。
初期費用・固定費ゼロの完全従量課金制でスモールスタートが可能。国内ECはもちろん、ハードルの高い「越境EC」の海外発送にも強みを持っています。
Shopifyをはじめとする主要ECカートとAPI連携し、受注から出荷、複雑なインボイス作成や複数キャリアからの最適ルート選択までをすべて自動化。貴社は商品開発やマーケティングに専念するだけで、世界中の顧客へスピーディーかつ安全に商品を届けることができます。
物流リソースの不足や、初めての海外展開でお悩みの方は、ぜひNEOlogiにご相談ください。
まとめ
EC物流は、単なる商品の移動作業ではなく、顧客体験を高め事業成長を支える最重要のインフラです。
小口配送や短納期対応など、EC特有の難しい課題をクリアするためには、標準化やシステム(WMS)の導入が欠かせません。
そして、人手不足やコスト高騰といった課題を根本から解決し、国内販売や越境ECへと事業をスケールさせるためには、プロの「物流代行(発送代行)」へのアウトソーシングが最も有効な手段です。
本記事で解説した代行会社の選び方を参考に、自社の強みを最大化できる最適な物流パートナーを見つけ、EC事業のさらなる飛躍を目指してください。
NEOlogi営業担当
NEOlogiの営業担当をしております。
NEOlogiは国内外世界150ヵ国以上に配送ができる、 EC事業者向けの配送代行サービスです。
物流部分にお悩みをお持ちでしたらお気軽にお問い合わせください。